
日本100名山、北海道のトムラウシ山を登山しました。
結論から言うと、初心者で知識も経験もない僕が単独で登るのは危険だったという感想です。
僕は登山に対してすべて「つもり」でした。
- 何の根拠もなく体力はある、つもり。
- 何の根拠もなく大丈夫だろう、というつもり。
- 山をナメてるつもりはないという思い。
そんなつもりだらけが良くないという経験をしたトムラウシ山登山記録です。
札幌からトムラウシ山に向けて出発
夜の11時30分に札幌から出発。札幌市中央区からトムラウシ山まで約270キロ。高速代をケチり下道で約5時間かかりました。
さらに運転してるとトムラウシ山登山口まで残り40~50キロ辺りで、威圧感がはんぱない山を見ました。気が小さいのもあって、写真に収めたくてもその場で車を降りるどころか、止めることも、窓を開けることも怖い位の山の圧力というか、威圧感に鳥肌が立つ風景に出合いました。
この時点では今日のトムラウシ山登山のメッセージに気づけなかったです。
さらに車を走らせ登山口まで20キロ位のからの風景。朝4時頃。ちょこちょこ写真を撮っていよいよトムラウシ山登山出発です。
トムラウシ山登山口出発 5時スタート
距離約22キロ
参考タイム 登り7時間10分 下り5時間
変わった名前の地名が多い北海道ですが、トムラウシとは、アイヌ語で「花の多いところ」だそうです。
この言葉の名前の通り、トムラウシはとても色んな植物でいっぱいでした。
グングン登って来た道をコマドリ沢分岐に向けてドンドン下っていくのです。そして雪渓に向けて川を超える。
トムラウシ登山は1度しこそこ登ってきた山を、途中かなりの距離を下っていかないといけないという、精神的にキツイ感じがありました。
そして、下山するように下ってからのまた上り坂です。そして岩場です。
岩場が苦手です。
一気に疲れます。
本やネットで歩き方を学んでるのですが、筋力が足らないのか、ヒザがすごく痛くなります。トムラウシ山登山は後半ここからは基本的に岩場になります。
この辺りから少し見晴らしがよくなってきます。
前トム平 トムラウシ登山6合目位
前トム平、標高1730メートル。ここまでで5時間位かかったのかなぁ。もうこの時点で本当にクタクタ。でもここからは早かったし、景色もよくなって楽しい登山になったけど。
一面緑と岩のすごい景色なんだけど、疲れてると、早く頂上に行きたい気持ちでそんなに余裕はないです。
この先を超えるとトムラウシ公園を見渡せる場所まできます。まぁよほど体力のある人、登山慣れしてない人だと、僕みたいな初心者では本当にここまででも十分きついです。
トムラウシ公園
トムラウシ公園の公園って山の中ですよ。公園があること自体すごい。そしてこのだだっ広い中にボコボコとあちこちに散らばってる岩たちがすごいです。標高1760m地点で、トムラウシ山頂上を目の前にものすごく広大な敷地に絶景が広がってました。
僕はめちゃめちゃ感動しました。
外国のどこか、世界遺産に来たような感じというより、地球上でない、どこか別世界の異次元に来たような感覚になりました。
ここで1時間もいなかったのですが…。
天候が急激に悪化
気が付くと一瞬でガスまみれの曇り空になり、前が見えないという天候になりました。
そして登山道も全くわからなくなり、知識、経験のない僕は、だだっ広いこの場所で一人孤立するかもしれないという、ものすごく不安と恐怖に襲われてしまいました。道もわからず、膝の痛みに自分が耐えれなくなったら動けなくなるという状況で本当にやばかったです。
このトムラウシ公園の手前でも進路を誤ってて、全く違う場所を頂上だと思い、全然関係のない岩を登ってました。
そして山頂ルートを見つけて頂上へ。
この頂上からはガスで何の景色もありませんでした。それより数m先しか見えない中で下山するのが怖かったです。天候が変わるのを待つしかない。そう思っていたら、縦走してきた別の登山者が来て、
「ピストンで戻るなら、一緒に下山して欲しい」
そう言ってくれた登山者と出会いました。南アルプスと違って進路がわかりにくすぎて危険すぎる!そう言ってました。不安いっぱいの僕には願ってもないことで、ラッキーというよりは、僕は何かに守られてるような感覚を感じました。
大げさに聞こえるかも知れないですが、この人が救世主のように感じました。
下山1時間後、急遽大雨が降り出し、ビシャビシャになって下山することになりました。これも雨が降ってては危険な岩場をすぎてから急にです。
僕は何か救わた気持ちになりました。
トムラウシ登山で山は危険というのを知りました。
たくさん、色々反省しました。少し何かが違えばこのだだっ広い山の中で誰とも出会えずただ一人最悪の事態も考えられる1日だったと思います。トムラウシは多くの方が亡くなってる山です。今の時点でこんな装備もままならないまま行くべき山ではなかったです。
このトムラウシ登山で山の天候の変化を体験して登山は危険だというのを身をもって知りました。
全部ごめんなさい。全部ありがとうな1日でした。